2011年 04月 13日
マイナス30度の世界
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みなとみらいの小さな遊園地の一角にあった、氷山をイメージした外装のこの建物。

マイナス30度の世界を体感できる という、至ってシンプルなアトラクションです。
入った人の大半が、寒すぎて駆け抜けて出て来るそうです。
夏のあいだ、ちょっと人気が出たようですね。

なぜこの写真(どなたかが撮られた写真をお借りしています)をアップしたかというと
今から20年ほど前に在籍していた会社が設計を担当していたからなのです。
わたしはこの施設の外壁の色と塗り方を、結果的には指示した という形になります。

その日、突然外線電話がまわってきまして
『もしもし。Hですけど、今ヒマですか? もしヒマだったら、横浜に来ませんか?』
なんと唐突な・・・。

ヒマではなかったので、
『ヒマじゃないけど、な〜に?』と返しました。

『実は今、みなとみらいのアイスワールドの現場なんですけど、外壁の色が決められないんですよ。
今これから塗らないと、工期がずれ込んじゃうんですよ。電話でもいいので教えてもらえませんか?』

『アイスワールド・・・? 外壁の色・・・?』

???の連続だったのですが、話を聞いているうちに
どうやら氷山みたいな見た目を塗装で見せるにはどうすれば良いか。
それを塗装職人に伝えるには・・・という相談でした。
て言うか、もう少し早く言ってくれてれば・・・

何も見えない状況で、頭がキーンとなりましたが
もうやるしかありません。

『手元に図面もないので何とも言えないけど、溝の深い部分に薄目の青というか水色を入れて
他は白にして境界をボカしてみるのはどう? 間違ってもクッキリ配色はしないでね。
あと、青みが強くなりすぎないように。』

『白と水色の割合はどのくらいがいいですかね?』

『白7 水色3で。8:2くらいでもいいかも。』

『わかりました。やってみます。』

他にも沢山の細かい話をしたはずなのですが、ざっくりこんな感じの会話だったと思います。

電話でそんな打ち合わせをして良いものか、そしてちゃんと出来上がるのか・・・。

その後連絡はなく、この外観で完成していたのです。

Hくん、あっぱれです。施工の専門でありながら、また聞きでよくぞここまで仕上げたな!
予想以上の出来に感激しました。
そして、塗装屋さんもスゴいです。
こういう微妙な仕事って、職人さんにはなかなか意志が伝わらないことが多いのに・・・。

電話での『わかりました。やってみます。』は、いけるという確信を含んでいたのですね。

残念ながら、このアトラクション もう取り壊されてしまいました。

この当時、毎日何かがギリギリの状態で仕事をまわしていた気がします。
殆ど寝ずに駆け回っていたような・・・。
その分、達成感が大きかったのも事実です。

勢いだけで生きていられた時代。楽しかったなぁ。


※取り壊されたと思われたアイスワールド。
何気なくHPを見ていたら、どうやらリニューアルされていたようです。
失礼しました。
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by maru-tonpi | 2011-04-13 01:00 | つくりもの | Comments(10)
Commented at 2011-04-13 17:07
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by vivi at 2011-04-13 19:16 x
こんばんは。
こちらの氷河の塗装を電話で指示して
さらにベリーグッドな仕上がりになったんですね!
素晴らしい!!
お互いの信頼度もUPですね★
いや、こちらの画像を見てとても懐かしくおもいました。
今から13年程前約4年間 すぐ目の前のホテルで仕事してました。
あっホテルの中でって事ですが。(笑)
ちなみに 一度入って 速攻で出て来た覚えがあります。
Commented by wampp at 2011-04-13 21:45
「勢いだけで生きていられた時代。楽しかったなぁ。」

なんとも言えない実感が伝わってきます。
私も約2年半、福祉の仕事に携わって
ほぼほぼ勢いとバイタリティーと場の雰囲気で乗り越えてきましたが、
正直、ガス欠というか何と言うか…。
今はガソリン給油中です(笑)
でも、勢いに乗ってるって実感しているときって
何もかもが面白かったり、上手くいったりなんですよね、不思議と。

人生山あれば谷ありだなーと思います。

今は、違う老人福祉の仕事をしているのですが、
これはこれで非常に面白いです。
Commented by chigusano at 2011-04-13 21:48
最初お写真みたとき ホントの氷山の建物!と思いました。
よく出来ていますね。
お電話で 指示なさったとのこと。 素敵に 仕上がっています♪
見るからに 冷たそう・・・・。

ご自分が関わったお仕事の仕上がり とても気になるでしょうね。
きっと その当時大活躍したことと想像します♡
Commented by maru-tonpi at 2011-04-13 22:09
鍵コメさんへ
コメントありがとうございます。
いろいろ大変な世の中になってしましましたが
とにかく出来ることを頑張っていくしかないですよね。
ブログもできるかぎり更新してまいりますので
いつでもいらして下さいね。
Commented by maru-tonpi at 2011-04-13 22:13
vivihamuさんへ
あまりに唐突で、急ぎの仕事。
運を天に任せるとは、こういう状況ですね。
仕上がりを見て安心しました。
施工のHくんのセンスが良かったので助かりましたよ。
向かいのホテルにいらしたのですか?
そして、マイナス30度を体感されたのですね。(笑)
Commented by maru-tonpi at 2011-04-13 22:18
wamppさんへ
時代も良かったのかも知れません。
次から次へと仕事があって、朝までなんて当たり前で
それに耐えられるだけの若さもあった時代。
でも長くは続かず、ある時突然衰退していきました。

人生、いろいろある方がきっと楽しいです。
楽しかったり、辛かったり。
それが『生きる』ってことなのかも知れませんね。
Commented by maru-tonpi at 2011-04-13 22:22
chigusanoさんへ
関わったと言っても、このプロジェクトのかけらも知らない状況で
電話で相談を受けて、ざっくりな指示をした。
それだけの関わりでしたけどね。(笑)
うまく出来上がって良かったです。

この当時は、実にいろんな仕事をしていた記憶があります。
いい時代でもありましたね。
これからも、いろいろと世に残していかなくては。
頑張りたいと思います。
Commented by しんごのママ at 2011-04-14 00:03 x
まるさんのお仕事の一端を垣間見たきがしました。
このお仕事とてもよくできています。
とても寒そうな建物ですよ。
まるさんが支持したようにできたみたいです。
もうないのは残念かな?
これからもまるさんはいろんな仕事をしていくのでしょうね。
たまにはちょこっと覗かせてくださいね。
楽しみにしています。
Commented by maru-tonpi at 2011-04-14 00:27
しんごのママさんへ
外壁のカラーリングとか、実は専門ではないのですが
同僚に頼まれた以上は、何とかしなきゃという思いでした。
出来る限りのサポートはしたつもりでしたので、
最終的にうまくいって良かったです。
わたしはこの中に入ったことはないのですが、
寒さ(痛さ)はかなりのものらしいですよ。

モノ作りは、きっとライフワークなんだと思います。
これからもいろいろ作っていきたいですね。
もう少し生活寄りのものもやっていこうと考えてます。


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