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2011年 07月 24日
手で描いていた時代 (2)
また、手描きのものを見つけたのでアップしますね。
絵ではなく、図面です。大半はドラフターという製図台で制作。
そもそも図面の専門家ではありませんが
どうしてもお願いしたい という切なる依頼で描きました。 『書きました』ですね。
手で描いていた時代 (2)_f0079967_2318563.jpg

時期としては、1994年頃だったと思います。
依頼主は劇団 TB PLANETの代表。ワクタくん。
ひょんなことから知り合いになり、いろいろ頼まれていました。
TB PLANETの前身は MASHMALLOW WAVES(マシュマロウェーブ)。
深夜のテレビ『冗談画報』で偶然見かけ、大ファンになったのです。
不条理でナンセンスでハイセンスで支離滅裂で抱腹絶倒。
なかなか一言では言い表せません。
数年後、ディスプレイの仕事を本格的に始めた頃、
仕事仲間というか、作り物の大先輩がいまして、
その方はなんとマシュマロウェーブの先輩にして、劇団の美術担当。
本人も芝居に参加していました。
なんという奇跡。マシュマロウェーブの皆さんにお会いすることができました。
数年後、当時のオリジナルメンバーはバラバラになってしまいましたが
ワクタくんはまた別の劇団。TB PLANETを立ち上げたのです。

説明が長くなってしまいましたね。

この図面、何かと言うと芝居を上演するスペース(この時は渋谷のシードホール)に
こんな内容の芝居をします という申請をしなくてはいけなくて
しかも、人が二人乗った飛行機をワイヤー伝いに滑車を使って
客席の後方から舞台に向けて飛ばす というものでした。

最終的には、ワイヤーを張る角度を緩くして、ゆっくり手で伝って移動させる
ということでOKが出ました。
客席の真上を通りますので、とても危険ではありますよね。

とても心配で、初日を観に行きましたよ。
当時、渋谷で働いていたので、シードホールまでは歩いて行けました。

劇中、突然紹介されてしまい、ビックリしてしまいました。(汗)
舞台から、ちゃんと客席のひとりひとりの顔が見えているのですね。
劇団の皆さん、キラキラ輝いていました。

良い思い出です。



手で描いていた時代 (2)_f0079967_8573922.jpgこちらは、マシュマロウェーブ時代
青山円形劇場で上演された『JUNK YOU』で登場した人形たちです。
作り物の大先輩Sさんが発泡スチロールをザクザク削り、
わたしは色作りと色塗り、細かなディテールを担当しました。

左後ろのジェイソンの手袋に、ダンロップのマークを入れたり
真ん中後方右側のゾンビのネクタイの裏側に伊勢丹のマークを入れたり
前列左のおばあちゃんが首に巻いている手拭いに下呂温泉の文字を入れたり
前列中央の関取。書いてあるからわかりますね。(笑)琴ヶ梅です。

この人形たちが客席に散らばり、一緒に芝居を観ていたのです。
後ろの立っている人形たちは、客席の後ろをグルッと取り囲み
バランスを取っていました。

ディスプレイの仕事も、いつもSさんにお願いしていて
仕事も芝居もごちゃ混ぜの状況でしたが
わたしもせっせと手伝いに行ってました。
寝る時間も殆ど無くてきつかったですが、楽しかったのも事実。
この頃に戻りたいですね。


どんな風に作っているか知りたい方は
コチラをどうぞ。

by maru-tonpi | 2011-07-24 23:43 | 描きもの | Trackback | Comments(14)
Commented by chigusano at 2011-07-25 00:20
わ~! こんな図面も描けるんですね!
図面を見ただけでも 頭がクラクラするわたしなので、
描けるなんて! 凄い!

舞台のために 申請書を出さなくてはならない事も 知りませんでした
こんな図面もいるんですね。 観客にはわからない 手間なことがいっぱいあることも、 初めて!

後方から飛行機が 現れるんですね♪ そりゃぁ大がかりな 舞台だったことでしょう♪ しかも人が2人乗って!
きっと お客様そのハプニングに喜んだことでしょうね♪
Commented by me1myr00m at 2011-07-25 13:50
これも手で書かれたんですか~*
しっかりとした図面ですね。
貴重な足跡がまたこうして見られるなんてステキ!
大好きな芸人とお知り合いになれるだけでも
すごいことなのに、その方からお仕事を依頼されるなんて
すばらしい出会いですよね。。。
公演の時は、一緒に舞台を作ったという一体感
がありますよね!
そんな時って以前からこんな光景に覚えがある・・・
みたいな感覚ってないですか?
maruさんの親切なお人柄もあって
つながっていかれたのでしょう・・・
それにしてもいい思い出ですね~。
Commented by maru-tonpi at 2011-07-25 20:20
chigusanoさんへ
そんなに大したものではないんですよ。
ベースの展開図はトレースしていますし。
多分、この飛行機が無ければ申請も必要なかったかも知れません。
この図面の他にも、各パーツの詳細図を3枚くらい書きました。

ホントはツーッと滑るように飛ばしたかったのでしょうけど
シードホール側からはOKが出なかったのでしょうね。
いい思い出です。
Commented by maru-tonpi at 2011-07-25 20:28
Meimyさんへ
フリーハンドな部分は飛行機だけです。
あとはドラフターと言って、定規がL字形に付いている製図板で書いています。
大ファンだった劇団の皆さんと出会えたこと。奇跡ですね。
この数年前にも、大好きなバンド『ZELDA』の友人が知り合いに偶然いて
楽屋まで行けたこともありました。

狭そうで広い日本での出会いって、すごいです。

彼らも一生懸命やっているので、こちらも頑張れました。
この芝居の他にも、
青山円形劇場での芝居に使う舞台美術も手伝わせていただいたんですよ。

そうですね。デジャヴ的な不思議な感覚。身に覚えがあります。
当時は、怖いものがひとつも無くて楽しかったですね。
Commented by jam at 2011-07-25 21:59 x
う~ん♪
やはり手描きの図面には味がありますねぇ。
ホントにmaruさんは多才ですね。
美しく描かれた図面は、それだけでも芸術作品だと思っています。
私の師匠の手描きの図面も、それはそれは美しかったです。
もちろん、CAD図面も 線の太さや間の取り方など
人によって表現の仕方が微妙に違ったりして
楽しいですけど。
Commented by jazzbud at 2011-07-26 00:05
手描き また復活して欲しいですね。
製図台って言葉だけで、ぼよよ〜ンです。
男性が製図台を前に定規で線をひいてるだけで
いい雰囲気が♡←いけないおばはん。爆..

手描きの三枚の絵も拝見しました
maruさんの特徴あるお人形と文字。
いっぺんでわかりますね。
またこちらのほうも復活されて
こういうお仕事ができるような時代に
なってほしいですね。

新しいばかりでは世の中情緒がなくなりますものね。
いい作品をみせていただきありがとうです。

また見せてくださいね。
Commented by しんごのママ at 2011-07-26 00:07 x
今度は図面なんですね!
まるさん、多才だし、劇団の方とのお仕事とは、
交際も広そうです。
この図面をみてこのときの舞台を想像してみました。
すごく斬新で面白い芝居だったのでは・・と思いました。
今でも劇団の方とのつながりがあるのでしょうか?
Commented by maru-tonpi at 2011-07-26 08:37
jamさんへ
作り物の大先輩からは
『おまえは器用貧乏だね。』と言われています。
ホント、そうかも知れません。

CADもきれいで美しいですが
やはり、手描きには味がありますよね。
Commented by maru-tonpi at 2011-07-26 08:41
jazzbudさんへ
製図台、ぼよよ〜ンですか?(笑)
今はみんなCADで書いているので、ドラフターもどんどん消えているでしょうね。
場所も取りますし。

今は何でもデジタル。簡単 便利もいいですが
ちょっと『ムダ』な部分もないと、息が詰まってきますよね。

また違うのをアップしますね。
Commented by maru-tonpi at 2011-07-26 08:45
しんごのママさんへ
図面、そんなに得意ではないんですよ。
よくわからないで書いています。
当時の環境は、芝居出身の方が多くて(社長も含め)
いろんな人と出会いましたね。
マシュマロウェーブの芝居は最高に面白かったです。
インテリジェンスに裏付けされた不条理みたいな、
変なモヤモヤが心地よかったです。

今はどなたとも交流はありませんね。懐かしい時間でした。

劇団は今も活動しているようです。
Commented by t-three-chika at 2011-07-26 19:23
こんばんわぁ~☆

わぁ~楽しそうですねっ*^^*
学生の時に少しだけ建築設計の授業もあったんです
楽しいなぁ~と思ったんですよね~♪
図面って、見ていても楽しいです*^^*
こんな感じ?って想像が膨らんで☆
客席のうしろから飛行機!いいなぁ~♪
お客さんも一緒に楽しめたんだろうなぁ~♪
そして!大好きな方たちとのお仕事も楽しそう*^^*

↓ゆずちゃん・・・見えないものが見える
素直なココロだけに見える、内緒のお友達でしょうかぁ~*^m^*
Commented by maru-tonpi at 2011-07-26 20:38
chikaさんへ
そうでしたか。図面、習われてたのですね。
わたしはどちらかと言うと苦手で、
よくわからない部分が沢山あります。

当時は実に様々な仕事がありました。
次から次へと湧いてくるような感じでしたよ。
おかげで寝る時間もありませんでしたけどね。
でも、気の合う方々と働くのは、ホントに楽しいです。

素直なココロだけに見える、内緒のお友達 だと良いのですけどね。
いったい何が(誰が)いたのか・・・。
「ゆず」のみぞ知る といったところです。
Commented by me1myr00m at 2011-07-27 11:56
発泡スチロールの製作を見てきました~~!!
すご~いおもしろかったです。
結構大胆にカットしていくのですね・・・
たくさんのお人形たちが
それぞれ客席にいる・・・なんて
すごくファンタジックです!!!
見てみたかったです。
作品にかける情熱は半端なくあふれている気がしました。
すばらしい仲間の方々とお過すごしになられた
貴重な思い出をアップしてくださり、夢がありました。
ありがとうございます!!
Commented by maru-tonpi at 2011-07-27 20:49
Meimyさんへ
ご覧になられましたか。
面白いですよね。実際、すごく面白いです。
ニクロム線に熱を通して、シャーって感じでカットします。
わたしもあの装置、作れるんですよ。
ただひとつ難点がありまして、すご〜く簡単に壊れてしまいます。

当時はホントに忙しくて、
それが逆に次へのアイディアや刺激になっていた気がします。
もう、あの時のようなパッションは巡って来ないかも知れません。


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